大型の書店に行くと「就活コーナー」に「面接対策本」が置かれ、その棚の反対側か或いは少し離れた棚に「経営書コーナー」が設置され「人材育成法」が並んでいる。昔は当たり前だと思っていたこのような配置と本のタイトルに、この頃少なからず違和感を持ち始めた。

 先に、本のタイトルから述べる。どうしても「対策」や「方法」という文字から感じ取れるのは「無理やりそのスタイルに当てはめる」という臭いだ。対策を講じて本来の自分とは違う自分に化粧した人物を採用した企業は、化粧が剥がれ落ちた人物を見て愕然としただろう。育成法により教育されたが十分に適応できなかった社員は、自分が落ちこぼれたと落胆するに違いない。

 私は「ヒトは促成栽培できない」と思っている。さきほどの言い方を借りれば、多くの本(やヒトを社会人として育てようとする試みの多く)は「化粧の方法」を教えているような気がするのだ。

 促成栽培できないことを最初に知らなければならないのは、そのヒト本人だ。だから鏡で素顔をよく見つめ自分の身の丈を知ることから始める。その素顔や身の丈で活躍できるシーンで経験を積むことが、成長への第一歩だと私は信じる。次に社会はその素顔と身の丈を分かってあげよう。こうして順を追っていくと、私は全くの門外漢だが、キャリア教育とは化粧法の伝授ではなく、そのヒトらしい生き方の承認のような気がする。そのヒトらしい生き方の承認を社会が普通にするようになったとき、書店でも別々に分かれていた棚が一つに統合されるに違いない。

 プラットフォームあおもりではこんなことを目指したい。

株式会社オフィス55

代表取締役

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