有効求人倍率って、何だろう?

2011年5月10日更新


もちろん日本語としては理解しています。
簡単に言えば、働きたい人(求職者)に対する働き口(求人)の割合のこと。
この倍率が高い方が、働きたい人にとっては選択肢が多くていいし、その地域の経済も好調だ、というのが一般的な理解だと思います。
でも、現実の雇用の現場にいると、数字で表れるもの以上にいろいろな要素が絡み合っていて、この数字の意味が分からなくなることがあります。

多くの求職者は失業中なので、当然のことながら安定した収入がありません。
どうしていいかわからずあきらめたり、ただ立ち尽くしている方も大勢います。
立ち尽くしていても、自分で行動しなければ、朗報が偶然舞い込んでくることはないのに。
そういう人に限って、世の中や不況のせいにするけれど、倍率0.01でも就職できる人はちゃんといるのに。
失業保険の給付が終わってしまった人、もうすぐ終了期限が近付いている人は、なおさら切実…なはずなのに、低い賃金で働くくらいなら、生活保護でもいいや、とでも思っているかのような人もいます。
現実の有効求人倍率がいくつであっても、彼らにとって、「自身が働くこと」は遠い現実になっています。

一方で、企業が求める人材をとりやすくなっているわけでもないようです。
地域や職種によっては0.09以下の倍率であるにもかかわらず、つまり企業側から見れば人材を厳選できる状況であるはずなのに、それを活かしきれずにいる企業が多い気がします。
自社の魅力発信や、働きやすい環境作りなど、お金をかけなくてもできることは、たくさんあります。そういう面での企業努力(将来のために、社長が取り組まなくてはいけない、社員のための積み重ね)は、やっぱり大切です。

残念ながら、県内企業には「採ってやるんだ!文句を言うな」的な経営者も、まだ本当に多い気がします。
給料などの条件は、経営環境上どうしようもない部分があるにせよ、働く人のモチベーションは、条件だけで決まるものではありません。
能力のある優秀な人ほど、今はしっかりと企業の品定めしていると思います。

人口減少と低成長の時代に日本は突入しました。
これから、ますます人材勝負の時代になっていきます。
働く人の側に問題がないわけではない、とは知っています。
経営者の方の嘆きは、よくわかっているつもりです。
でも、企業と求職者がお互いにもう少し歩み寄らないと、(特に雇用の面では、優位に立つ企業側が歩み寄らないと、)なかなか事態は好転しそうにありません。

「子どもたちの世代も、働きながら住み続けることのできる青森」をつくることは、残念ながら行政だけに頼っていても実現しないと思います。

それに、県内の中小企業にとって、現在の状況は「人材獲得のチャンス到来」だと思うんだけどなぁ…