企業の人財育成~社外に切磋琢磨の場を~

2011年7月30日更新


東奥日報7月30日朝刊『あおもり経済散歩道』掲載

『カベを自力で乗り越えさせてこそ、社員は成長する』

●暑い日が続き、いつもどおりの夏祭りの囃子が聞こえてきます。一方でこの半年、いつも確かだったはずの価値の崩壊が、日本社会に訪れたようにも感じます。後年、そういう意味で記憶に残る夏になるのかもしれません。

●さて、企業の最大の財産は後継者を含めた人財ですが、その育成環境は県内企業に大きなハンディがあります。中央の大手企業のように、能力が競り合っている同期や先輩後輩がたくさんいて、日常的に社員同士がライバル意識をぶつけ合える場を社内でつくれるのなら、それだけで社内は活性化し、個々の能力は高まっていきます。しかし多くの県内企業にとって「同期や年齢の近い先輩後輩がいる社内環境をつくる」=「継続的に新卒を採り続ける」ことは、現実的にとても難しいことです。つまり、青森では「社員の日常的な切磋琢磨の場」は、社長が意図的に社外に作らなくてはなりません。

●知識だけを一方的に押し付ける研修や、青森の状況も知らずに東京からポッと来る講師のセミナーに参加しても、どうせ会場を出たらその内容を忘れてしまうものです。そんなことより、例えば異業種の県内企業が協力して企業横断的・継続的な年齢別集合研修のような場をつくり、社員に実践的な経験や同世代との交流をさせることで、そこからの「気づき」や「自覚」を得てもらう、そしてそれを日々「反芻」してもらうことの方が、県内企業の人財育成と定着率の向上にはずっと有効だし、その社員の生涯の財産になる、と私たちNPOは考えています。

●みんなが、おててをつないでゴールできていた「結果平等社会」、つまり、みんなと同じというだけで幸せになれた時代は、もう終わったのだと思います。人財をもつ企業だけが生き残る「最初のチャンスだけが均等な社会」での社長の仕事は『決める・払う・育てる』だということを、次回書きます。