『捨てる勇気と基準』

2011年9月25日更新


東奥日報 9月17日版掲載 「あおもり経済散歩道」

●いろいろな想いの交錯する、なんとなくいつもと違う夏が終わりそうです。
この秋の実りがいつも通り豊かで安全であり、それが本当の復興までの長い道のりの第一歩になるように、心から願いたいと思います。

●さて、新しい可能性を手に入れるためには、せっかく手に入れたものでも、時には一度捨てる勇気も必要だ、と以前書きました。
日本は少ないチャンスを活かせる組織だけが生き残る社会になりつつあります。
チャンスを活かすにはスピードも必要です。
過去の成功体験へのこだわりや古い意識が、その重荷になることもあるでしょう。
「じっくり考えて、そのうち状況がよくなったら判断する」というのは、日本が成長していた、チャンスが次々生まれてくる時代の経営判断には合っていたのでしょうが、今では待つことで生じるチャンスロスのリスクと、即決することで発生するリスクの大きさが、逆転してしまっているように思います。
「そのうちする」は、「結局何もできない」ことになりがちです。

●前に進むために何を残して何を捨てるべきかの基準は、既に自社内で共有できているものだと思います。
それは「なんのために会社を経営するのか」「この会社をどうしたいのか」という考え方、経営理念とか社風とか企業文化と言われるものです。

●社長の大事な仕事は「すぐに決める」「わかりやすく示す」「間違えたらすぐ直す」ことです。
これからの時代は、すぐに決めて間違ったらすぐ直すクセをつけ、「社長でも間違えるもの」と社員に共通認識してもらった方が、人財は育ち、組織としての推進力も高まり、長い目で見てたくさんの成果を得る確率が高まると言えます。
企業の経営力・競争力の向上には、経営理念を軸にして、会社全体で「人材を自社の人財に育てる」意識がとても大切です。

●そうはいっても、今の若者に欠けていること、今の若者が持ち過ぎていることは、種々多いと感じます。
次回は、学生や若者のキャリア教育の現場から報告します。