『くどいようですが、現状を維持してしまうリスクについて』

2012年11月14日更新


東奥日報  掲載原稿 「あおもり経済未知しるべ」

●先日八戸市でハローワーク等が主催する合同就職面接会が開催されました。企業60社と420人を越える求人に対し、求職者にはたった54人しか集まっていただけません。事前周知が足りなかったのかもしれないし、求人職種はいわゆる不人気職種が多かったかもしれない。でも、その場で内定をとれた人も1人います。二次面接の機会を得た人も36人います。なぜもっと多くの求職者に活用してもらえないのだろう?働きたいけど面接にたどり着けない求職者は多いはずなのに、現状を打破するには自分で動き出すしかない時代なのに、考え方を少しだけ変えて新しい道に対応していくしかない時代なのに、なぜチャンスに行動してもらえないのだろう?

●日本は今、国自体が大きな転換期にあると思います。周囲の人と同じにしているだけで幸せになれたり就職できたりした『成長期』を過ぎ、人口がどんどん減り高齢化が急速に進む『老齢期』にさしかかっています。否応なく国際的な相互依存も強くなりました。そんな国にいて、なにもしないで現状を維持しようとする姿勢は、行動するよりリスクが大きいと思いませんか?変化を受け入れることは人間にとってとても苦しいし不安です。現状の生活水準を落とすことは誰にとっても難しいことです。

●面接会の会場でTPPのことを考えました。TPPなんかに参加したら、確かに壊滅的な打撃を受ける産業もあるでしょう。今の仕事を失う人も出るはずです。私自身も無条件賛成ではありません。でも、交渉に参加して変化に対応する準備をしていかないと、国際的な相互依存が強まり『老齢期』に入ってしまったこの国は、いずれ立ち行かなくなることは明らかです。就職活動もTPPも『本当に今のまま、現状維持が最善の選択だと思い続けていいのでしょうか?』

●もうすぐ、このコラムを担当してくださっていた福田記者の四十九日です。46歳で亡くなった彼が、筆の遅い私をいつも励ましてくれたことを思い出しながら、これからも発信していこうと思います。