『何のために』について

2012年11月14日更新


東奥日報 8月25日版掲載原稿 「あおもり経済未知しるべ」

●8月は県内各地でお祭りがありお盆もあるので、多くの人や懐かしい顔が行き交ううちに、いつも慌ただしく日々が過ぎ去ってしまいます。今年はオリンピックが加わり、一層駆け足感の強い夏だったように感じます。オリンピックを見ていると、世界の舞台に出て行ける人は『何のために』戦うのかが明確だなぁといつも思います。

●さて、経営者も『何のために』事業をするのか明確であることが必要です。現実の経営は子供の成長と同じで、いつも計画通りいくわけではありません。確実だと思っている計画がとん挫したり、アテにしていた融資が受けられなかったり、スタッフの能力が想定外だったり、逆に思わぬところがトントン拍子にうまくいったり。ただでさえ、今の日本は少子超高齢化社会が急速に到来し、大きな変化の真っただ中にいます。前例のない時代なので、経営者も読み間違うのは当たり前、決断に迷いも出るものです。でもだからこそ、『何のために』が大きな拠り所になると思います。『何のために』が明確であれば、「いつかそのうち」「今は時期でない」なんて言っていないで行動に移しやすいし、行動して間違えたらやり直すことも、結果を検証して再挑戦することもやりやすくなります。

●8月は原爆の日や終戦の日もあり、現在の日本人が先達から受け継いだスタート地点のようなものについて考えさせられる季節でもあります。「日本の中の青森県の2012年」という私たちに与えられた条件は、私たちが『何のために』を考えるベースになります。ところで、本来であれば企業の経営者にとって『何のために』は、創業起業時に経営理念やビジネスプランにまとめられることになります。でも、きちんとビジネスプランを作ってから事業に乗り出す人はまだ少数派だと思いますから、事業を見直しながらビジネスプランを作り直しても、決して遅くありません。書き慣れないとなかなかうまく書けないものですが、これからの秋の夜長のような比較的ゆっくり時間が流れるときに、改めて取り組んでみるのもいいのではないでしょうか。