『素材の力』

2012年11月14日更新


東奥日報  掲載原稿 「あおもり経済未知しるべ」

●青森市立堤小学校の卒業式に出席しました。大きな未来に向かう若い存在が、微笑ましく頼もしく見えました。前にも書きましたが、青森の子供たちは、ちょっとおとなしいけど総じて素直でまじめです。優れた「素材」を青森の地で活かすも殺すも、私たち大人の責任だと思います。

●「3.11ずっと忘れないプロジェクト100東北復興産直市」を開催中です。青森県産品だけでなく、東北各地の産品を、羽田空港をはじめとする首都圏・関西圏の100か所以上で販売する取り組みなのですが、気が付いたことが3つあります。

●1つ目は、整った見映えの良い都会的な商品より、作った人の日常が伝わるストーリー性のある商品の方がよく売れることです。羽田空港では、空港という独特の雰囲気もあってか、価格にかかわらず、きちんとウンチクを語れる商品、買う人の購買意識に対して納得感を作れる商品、東北らしい素材を活かした商品が好調です。パッケージの出来不出来より、中身で勝負できるように思います。2つめは、岩手や宮城のメーカーが、青森県のメーカーに比べて提案上手だということです。青森県は、多くの素材が一級品であるにもかかわらず、価格設定とか、生産数量とか、味付けなどで「自分都合優先の商品づくりや提案」が多いように感じます。価格設定では、手近な道の駅だけで売る商品と、中間流通を挟む商品とでは差が出るのは当然です。その納入価格の幅を考慮せずに商品が出来上がると、メーカーが自分で出向いて自分で売るしか方法がなくなります。売れないのではなく「売りにくいように商品を作っている」のかもしれません。3つめは、首都圏のお客様がとても優しいことです。「少しだけだけど復興に役立てば」「こんなことしか支援できないけれど」と言ってお買い上げくださいます。

●卒業式では、中学校に進学する子供たちに「前向きに取り組んでいけば、最後は笑顔になれるよ」という話をさせてもらいました。いま、青森県の産品の前途にも同じことを感じています。取り組み方を少し変えるだけで、売れる県産品はまだまだたくさんあります。