『途中でやめる』決断をするために

2012年11月14日更新


東奥日報  掲載原稿 「あおもり経済未知しるべ」

●物事が動き始めてしまうと、やめたくてもやめられないことがよくあります。想定通りではないのに、ズルズルと時間が過ぎて傷を深くしてしまう経験は、どなたにもあることではないでしょうか。

●ビジネスにおいては、うまくいかないのが8割強で、思った通りいくのが2割もないように感じます。だからこそ、想定通りにいかないときの為に『どうなったらやめるのか』をあらかじめ具体的に決めておくことは、『何のためにその事業をするのか』を関係者で共有することと同じくらい重要だと思います。うまくいかないときの引き際に限って、メンツやくだらない意地、根拠のない期待にすがってしまう甘えが邪魔をして、判断が鈍くなるものです。あらかじめ『やめ方』を決めて関係者で共有しておけば、やめる決断もしやすく、次の新たなチャレンジにも進みやすくなると思います。

●これから日本は、未知の超高齢化社会に突入していきます。たった20年後の2030年には人口の3割もが高齢者になり、県人口は100万人を切る社会で、いままでと同じビジネスモデルが通用するはずがありません。行政頼みや前例踏襲でうまくいく可能性もますます低くなります。だからこそ、いままで以上に「現実の変化への素早い対応力」が企業に求められています。地方の中小企業が生き残る道は①軽いフットワークと素早い経営判断力を持ち、②社内外に信頼できるサポーターがいて、③自分の得意な土俵でだけ戦う、ことだと思います。

●若いころ、勤めていた企業の人事部でシステム構築に携わったことがあります。人事業務をシステム化するポイントは「その業務の『終わり』をあらかじめ決めること」でした。人事という業務の特性上、例外や個別対応はつきもので、業務は「推移を見てから」「状況により」結末を決めればいい、くらいにしか考えたこともありませんでしたので、とても印象的でした。20年たった今でも、新事業に取り組む前には、「いつやめるかを決めてからスタートする」ことを心がけたいと思っています。