『長い道程をゆっくりと行く』

2012年11月14日更新


東奥日報 掲載原稿

●新しい年が明けました。穏やかで充実した日々が繰り返される1年になることを、心から願います。

●岩手県宮古市では、社会福祉協議会が中心となって震災ボランティア受入体制をつくり、地元NPO等が活動を支えてきました。昨夏頃までは月3,000人をこえるボランティアが集まりましたが、8月以降は急激に減り始め、11月にはピーク時の4分の1以下の月860人にまで減少しました。宮古周辺の大槌町や山田町、田野畑村の国道45号線沿いには、土台だけの家々が続く光景が今もあります。宮古は7万人足らずの市に、60か所を越える仮設住宅が存在したまま年を越えました。被災地では、まだたくさんの支援が必要です。雪かきや側溝汲みのような力仕事だけでなく、写真洗浄など屋内でする活動や、女性の力が必要な支援も、まだまだあります。

●言葉遣いが違うと思いつつ、宮古の人たちからは「前向きな諦観」のようなもの、高い山に登るときの「長い道程を、ゆっくりと立ち止まらずに歩く覚悟」のようなものが感じられます。もちろん、世の中の不幸はこの震災以外にもたくさんあることは知っています。でも、隣県青森で日常を過ごす私たちだからこそできることも、また、あると思います。

●現実的には、宮古まで車でボランティアに行くことは、正直大変です。私たちは県の「新しい公共」事業を活用して「青森から宮古への1泊2日震災復興ボランティアツアー」を毎月1回程度実施させていただくことになりました。2013年3月まで継続的な支援を行っていきたいと思います。【ツアーは宮古市内での宿泊飲食等が参加者負担で、青森県内と宮古間の往復のバスが無料です。詳しくはHP(『プラットフォームあおもり』で検索)をご覧ください。】

●不安があると行動できなかったり、困難の前では立ちすくむ若者は、県内にも確かに多いです。そういう若い彼らが、たくさんの大切なものを失った人たちを支援する活動に参加することは、彼ら自身の生きる力にいつかきっとなる、私はそう信じています。