『青高は進学校ではない』

2012年11月14日更新


東奥日報  掲載原稿 「あおもり経済未知しるべ」

●門出の季節が来ました。今日は新しい学び舎を得たすべての高校1年生諸君に向けてエールを送ります。

●青高は地域社会を支える多くの人材を輩出してきた県内屈指の伝統校ですし、私は心から諸先輩方に敬意をもっています。その上でなお、新1年生諸君には青高は進学校ではない、進学校だと考えない方がいい、と伝えたいと思います。この青高の青は八でも弘でも三でも五でも、県内のどんな高校でも同じです。理由は2つあります。

●首都圏での感覚からすると、青高の学力は全国レベルの中位あたりです。青高はじめ県内のいわゆる進学校は「ほぼ全員が進学する高校」なだけです。本当の進学校というのは、トップの数人だけでなく、学内全体で切磋琢磨や高いレベルでの競い合いの環境があります。青高なんて、東京の人は誰も知りません。

●これからの日本は、少子高齢化と人材の流動化がますます進みます。例えば一つのポストを、3か国語を話す外国人と、社会経験豊かな40代の先輩と、地方出身の新卒が奪い合う構図が、青森県内でも日常的になるでしょう。単に青森の進学校卒でございます、は全く通用しなくなります。

●諸君が就職したいと思う中央の大手企業では(もちろん県内企業でも)、学力より人間性重視・適応力重視の傾向がますます強くなっています。だからこそ「青森県内でしか通用しない程度の学歴に関するプライドや、逆に劣等感のようなもの」は早めに捨てちゃったほうが、自分だけの新しい道を探しやすいでしょう。

●この春の合格や進学が諸君のゴールではありませんよね?スタートラインですらないかもしれない。諸君はそこで何を学び、何のために生きていくのでしょう。仮にいわゆる有名大学に進学したとしても、10年以内には諸君は社会に出ます。社会に放り出される前に、きちんと今から備えましょう。まだ絶対に間に合いますし、これから3年間の諸君の行動が、母校の新しい伝統を作っていくことになると思います。震災直後の昨年の春に比べれば、今年は幸せなスタートだと、満開の桜を見て私はつくづく思います。