商談でも、就活でも

2012年11月14日更新


東奥日報 11月10日版掲載原稿 「あおもり経済未知しるべ」

●大学でキャリア教育を担当させてもらっていながら、学生の就活とビジネスの商談の話は対極にあるようについ考えてしまうのですが、実はよく似ていることに気づかされることがあります。今回は先般開催された東京ドームでの商談会で感じたことを報告します。

●昨今の大卒新卒の就活では、一握りの学生が内定をたくさん集める一方で、平均では30社に応募してやっと1つ内定が取れる(つまり29社からは不採用の通知をもらう)のが現実だそうです。今どきの大学生は面接の肝である「自己PR」と「志望動機」をきちんと語れるよう、大学で事前に特訓されているにもかかわらずです。商談よりはるかに厳しいですよね。「自己PR」は企業が求めるものに対し、いかに自分が対応できる能力があるかを伝えるものです。この「自己PR」が、実は商談トークとよく似ています。

●一般的な商談会は、だいたい20~30分の限られた時間で「自社や自社商品のPR」をすることになります。ところが商談相手は、こういった商談会では信頼できるパートナー探しに主眼を置き、必ずしも商品そのものを探しているわけではないことも、実は多いように感じます。特に地方のメーカーに対しては、商品力よりも継続した付き合いができるか、フットワークよく対応してもらえるかを重点的にみているようです。私たちからすると、魅力的な商談相手ほど組織が大きくなり、組織が大きくなればなるほど、商談相手は自分の担当部門外の商品には興味がありません。「うちの商品はいいものです!」と言うだけでは、彼らに何も伝わらないことになります。短い時間で簡潔に伝えるべきものを伝えるには、自社が得意とすることを絞りに絞って、それを商談相手が求めるものにできるだけ重ねるようにして「伝えすぎないようにして伝えること」がポイントになると思います。

●私たちのアプローチ方法を少し工夫すれば、県産品はまだまだ売れます。自信を持っていきましょう。商談が成立しないときは、そのバイヤーに商品を見る目がないと思えばいいんです。青森県産品を求めている販路は、首都圏には他にもたくさんあります。どんな人材にも活躍する場所があるように、商談でも、就活でも、あなたに合う企業は必ずあります。