雇用のミスマッチは超えられる

2013年6月17日更新


東奥日報コラム「あおもり経済未知しるべ」(第19回)

●先日出席した青森市主催の新規高卒者雇用促進懇談会で、いわゆる雇用のミスマッチが話題になりました。今年は新卒者の就職内定率が比較的高いとはいえ、内定率がいくら高くても、すぐに離職してしまうのでは何の意味もありません。その若者の早期離職の原因の一つが、雇用のミスマッチだという指摘です。

●ミスマッチ対策のひとつとして、「自己分析診断」が多くの就職支援で活用され、若者が、就職前に自己の職業適性を理解するための定番ツールとなっています。ところが、早期離職してしまう若者の中には、自己分析結果を必要以上に信じ込み、『自分の分析結果にマッチした働き方がどこかにある』『分析結果と選択した仕事の現実が違うから、分析結果にあった働き方を選びなおさないと自分のためにならない』などと、活用が逆効果になっている例も多いように感じています。

●就職前に自己の職業適性を客観的に分析し知っておくことは、もちろん役に立つと思いますが、人間は実務経験を重ねていくと、考え方も意識も能力も成長し変化するものです。また、現実に働いてみないと、その仕事の楽しさもつらさも、そしてもちろんやりがいだって、真の意味では理解できないものですし、経験を重ねてこそ、仕事についての理解は深まるものだと思います。働き始めた時から、就職前の想定に100%マッチした働き方でないといけないと勝手に思い込むから、現実とのギャップに苦しむのだと思います。働くということには、予想以上のいいことや、想像以上につらいことがたくさん含まれているから、いい意味でも悪い意味でも、自分の職業適性に100%過不足なくマッチした仕事なんて、今の世にはないはずです。

●若者が少しのギャップを乗り越えて「自立していく覚悟」を持つことで、雇用のミスマッチはきっと越えられます。そしてそれが、誰のためにもならない「若者の早期離職=非正規雇用化=再度の離職」という悪循環を解消するための、一つの大きなカギになると思います。もう一つのカギ、企業の人材育成力については改めて書きます。