そこまでしないと?

2013年7月9日更新


東奥日報コラム「あおもり経済未知しるべ」(第21回)

●夕方になると、お囃子の練習があちこちから聞こえてきて、夏本番も近いと感じます。これからの暑い時期は就活する方も大変でしょうが、企業面談会などの運営側としては、いつもある種のもどかしさを感じています。

●今の若い求職者は、総じて素直でおとなしくまじめなのですが、具体的な指示がないと上手に動くことができない傾向があるように感じます。その場の状況を自分で判断して、前向きに行動することがまず求められる面談会のような場面ですら、誰かの指示待ちになるのをよく見かけます。「なんとか早く就職するんだ!」という意志を強く感じない、とでも言えばいいでしょうか。来場だけして企業ブースをまわることなく退却する若者もたくさんいますので、参加している企業も満足できないことが多いのではと考えてしまいます。

●面談会は企業PRのチャンスでもありますし、「おとなしすぎる」若者の実情に合わせた企画ができれば、マッチングの率も向上するのではないかと思っています。そこで今年度、青森県中小企業団体中央会が運営する「あおもりジョブフィット事業」では、職種別企業面談会のようなものを企画します。例えば「介護・福祉」という定型の業種別の面談会ではなく、求人を「人と話をする機会が多い仕事」のような職種のくくりで捉え、参加企業数を絞り回数を多く開催します。若い求職者にとっては来場目的が明確化するでしょうし、求人側も来場者全員がターゲットになるメリットがあります。

●仮に、ひとつの取り組みが一時的な注目を集めたとしても、ちょっとしたヒット商品が生まれたとしても、その小さな種を大きく育てられるかどうかは、結局「人材」にかかっています。少子高齢化が劇的に進むこれからの日本で、特に地方の中小企業が継続的な成長を望むなら、少しくらい「おとなしすぎる」若者の中からでも、できるだけ「伸びしろ」のある若者を選び出して獲得して育成し定着させて戦力化していくことが、どうしても必要です。

●でも、だからと言って、そこまでやってあげようとすることは、今の若者を甘やかしすぎでしょうか?