「未来(あした)をつかもう」

2013年9月15日更新


東奥日報コラム「あおもり経済未知しるべ」(第24回)

●前回の東京オリンピックが開催された1964年に生まれた身としては、今回のこの五輪開催理念が日本社会の新しい価値を作る契機になってほしいと願っていますし、ビジネスの側面で考えると、少なくともこれから7年間は、新幹線開業並みにインパクトの大きいチャンスが、青森県の経済環境にも続くと捉えることができると思います。

●現時点で青森県が「外貨」を稼ぐことのできる競争力のある産業は、農水産業とその周辺にある食産業が筆頭であろうと思います。その競争力を生産者ひとりひとりの収益に変え、産業全体が持続発展可能な環境を整えていくには、県産品の魅力をタバにして、県外・海外に主体的戦略的継続的に売り込む仕組みをつくり、きちんと「儲け続ける」ことが必要だと思います。

●首都圏等で青森県産品を販売していると、食を取り巻く消費者の意識の変化や、健康志向・安全志向の高まりの中で、青森県産品に対する期待度が一段と強くなっているのを感じます。ある全国展開している流通大手のバイヤーからも、京都展や九州フェアより青森県産フェアの方が魅力的な商品が多い、とお墨付きをもらえるほどで、実際に毎月20日間以上のフェア開催リクエストをいただく状況が続いています。もちろん解決しなくてはいけない課題は多いけれど、物流の工夫やITの活用を組み合わせることで、県内の生産者が「どうせ売れない、どうせ儲からない」と諦めなくてもいい時代になってきていると感じています。

●笑えない話もひとつ。長野県上田市で「黒にんにく」を売ったときのこと、なぜか首都圏よりも明らかに売れ行きが良くありません。よくよくお客様の話を聞くと、「健康にいいから」という売り口上が通用していないようなのです。考えてみたら、日本トップクラスの長寿県長野に住む方は健康なのが当たり前。全国最下位の短命県から行く男が言うセリフではありませんでした。私たちが目指すべきは、生産者の収益を確保するだけでなく、「青森の人はおいしくて安全なものばかり食べているから、いつも元気で若々しいよね。」と世界中の人に言ってもらえるような、本当の意味で豊かな地域を創ることなんですよね。