やれない理由を探さない

2013年11月25日更新


東奥日報コラム「あおもり経済未知しるべ」(第26回)

●先日あおもりジョブフィット事業のフォーラムで、ゲストの一人だった日本銀行青森支店の宮下支店長が『既存の価値観が崩壊し、社会の変化のスピードが一段と速くなっている今の日本では、外を向く意識を持つことが大切で、やれない理由を探さずに、変化に対応しよう』と、参加した大学生に話してくださいました。とかく、やれない理由は簡単に思いつくし、その方が行動としては楽だから、ついつい私自身もその道を選びがちです。

●その自分のことは棚に上げてなのですが、キャリア支援などで出会う若者や大学生諸君には、難しい課題にこそやれない理由を探さずに取り組んでほしい、といつも思っています。その理由は3つあります。ひとつには、課題の克服にはきっとコツみたいのがあって、若いうちに1回2回上手にできれば、コツがわかってきっと次も上手くできる自信がつくだろうということ。ふたつめは、上手に課題解決ができたかどうかの結果だけではなく、若いときは取り組んでいる姿勢そのものを、きっと周囲の誰かが見て評価している、ということ。みっつめには、どうせ若いときはあまり過大な期待などされていないんだから、きちんと失敗をして、早く失敗の仕方を覚えた方が将来のためには得、ということです。偉そうな顔をしていても、きっと周りの大人たちも同じように失敗して成長してきたはずだと思います。そもそも、いくら正解や知識を学校で詰め込んでもそれだけでは社会で通用するホントの知恵にはならないし、実社会で通用する力は、多くの人たちと切磋琢磨しながら経験を積み重ねる中でしか育てることができないんだから、やってみることから逃げないでほしいと思います。

●実はそうは言いながら、今回の原稿は提出がかなり遅くなってしまい、なんとかやれない理由を見つけて書かずに済ませたい…とも思ったのですが、幸にも自分で決めたタイトルに救われました。あとでやろうとか、今は忙しいからそのうちとか、状況がよくなったら等の「今やれない理由」を考えることは、現実から逃避してずっとやらないでおくことと同じ意味なんだなぁ、と痛感しています。