「捨てる神あれば、ですよ」

2014年6月10日更新


東奥日報コラム「あおもり経済未知しるべ」(第30回)

●少し前の話になりますが、三村知事が東京在住の若者達とUターンについて対談するイベントに同席させていただいた時のことです。ある大学院生が「私たちが活躍できるような環境を青森にも作ってほしい」という趣旨の発言をしました。大学院に進むほどの勉強をした彼らの立場になれば、故郷で活躍できる場がとても少ないという不満は無理からぬところかもしれません。その一方で、今どきの多くの若者は、まじめに努力していればすぐに評価してもらうのが当然で、手に入れた評価は努力し続けなくてもいつまでも自分の手の中にあると思い込みがちだ、とも感じます。学校以外の現実の社会では、努力して成果を得ても、なかなか正当な評価が得られない不条理な場面も実に多いと思っているのは、私がヒガミじじぃだからでしょうか。

●そもそも就活や婚活や商談などのマッチングが成立する前提は「お互いが双方にとってふさわしい存在だということを評価しあい、納得できる」ことだと思います。「お互いにふさわしい」だけでなく「双方が納得」できることがポイントです。新年度に入り、県内でも大学生の就活が本格化してきましたが、なかなかうまくいかないときは、「私を評価しないような企業は、人材の価値が分かっていないから将来性がない」ぐらいに考えてみたらどうでしょうか。結果を急がず、今の自分にふさわしい場がどこかにある、という前向きな気持ちを持ち続けていれば、ふさわしい場はきっと見つかります。この大学院生の場合も、ホントに青森に帰りたいのなら、今は時間軸を少し長めにとり、自分の学歴に首都圏での実務経験を加えて、30歳を過ぎてから堂々と青森に凱旋する方法を選べば、より納得できる結果が手に入ると思います。

●さて、私達のNPOでは、今年度若者のキャリア支援と企業の人材定着支援に関する国の事業を3つ受託することができました。この地域の人材育成ニーズを具体化できるプラットフォームとして、青森発の新しい価値をたくさん創り出していきたいと思います。そしてその現場の話題は、このコラムで都度報告させていただきます。引き続きご支援よろしくお願いいたします。