若手が活躍できる企業に

2014年6月10日更新


東奥日報コラム「あおもり経済未知しるべ」(第31回)

●「地域企業人材共同育成事業」を経産省から受託しました。もともとこの事業は、地域の企業群が出向という仕組みを活用して企業間の人材交流を図り、成功事例やノウハウを共有して、その地域の特色を活かした若手人材の育成モデルをつくろう、というものでした。そうは言っても、青森県内の企業にあっては、若手社員を出向させることは現実的に難しいですし、やれるとしても一時的には企業の大きな負担になります。そこで事業趣旨を少しだけ読み換えて、出向ではなく継続的な異業種連携のステージを使った、若手社員戦力化研修のスタイルにしました。若手が自らの成長意欲を持ち続けるには、継続的な実践の場と、課題や失敗を自ら振り返ることができる仕組み、客観的に評価してもらう機会が必要です。この研修会では、単なる座学の連続ではなく、異業種企業の集合研修と実践的な商談会などへの参加を、1年間19回にわたり繰り返し実施していきます。多くの企業の若手が継続的に集まり、テーマを変えながら営業力や企画提案力を切磋琢磨できる機会を作り続けていくことは、この地域に若手人材を育成し戦力化できる企業を増やすために、とても有効な仕掛けになると思っています。

●大手企業の採用意欲が高まっていることや、依然として若者の就職に関する安定志向が続いていること、そもそも若者の数が今後どんどん減っていくことにより、県内企業の新戦力獲得環境は、今後一段と厳しくなりそうです。県内企業にとって、既存の若手を戦力化できるかどうかは、継続的な企業の利益確保にとって一層重要になっていくだけでなく、難しくなっていく新戦力獲得にも必ずいい影響を与えます。また、企業の30年後を考えてみれば、今の経営課題の解決が、若手の活躍にかかっていることは明白です。

●人口減少対策や高齢化対策が、いよいよ地域社会の大きな課題として認識されてきたように思います。成熟期から老成期に向かっていくこれからの日本では、その地域らしい社会をつくれるかどうかが、若手が活躍できる企業がどれだけその地域に存在しているかで決まっていくと思います。