地域社会が消滅する前に

2014年7月22日更新


東奥日報コラム「あおもり未知しるべ」(第32回)

●「県立高校将来構想検討会議」に東青地区委員として参加させていただきました。青森県は現在61,000人余りいる高校生世代(15~19歳)が急激な人口減少期を迎え、10年後の2025年には15,000人以上減っては45,000人以下に、25年後の2040年には現在の半分以下の30,000人以下にまで減少します。この減少スピードは、ダントツの全国トップです。

●今年1月に決定された「青森県教育施策の方針」には「多様性を尊重し、創造力豊かで、新しい時代を主体的に切り拓く人づくりを目指す。」とあります。高校生たちの多様性尊重の価値観を育てるには、彼ら自身とは異質な能力や考え方の同世代との切磋琢磨が不可欠だと思いますが、1学年2~3クラスの少規模高校では難しいでしょう。多様な進路志望をかなえる学力という面でも、現在のいわゆる県内進学校程度では、全国レベルの競争には、とても太刀打ちできないのが現実です。加えて今後、社会のグローバル化や産業構造の変化が一段と進み、雇用の場で求められる人材像が大きく変化することが想定されます。中長期的な視野に立ち、子供たちの将来を最優先して考えた時、現状の高校の在り方を原則継続する、という選択はできないと思います。

●しかし一方で、高校のありようは地域のありようを左右する重要な地域課題だと思います。単純に効率性ありきで高校を統廃合すればいい、という話にもできないでしょう。東青地区は県内では比較的人口が集まっていて交通の便もいいので、まだいくつか選択肢はありますが、他地域では事情がずいぶん違うと思います。

●急激な若年人口の減少は、地域社会存続の最大の課題です。私たちは今「気が付いてみたら消滅しかねない地域」で暮らしているという危機感を共有し、「他の地域と同じがいい」という今まで通りの安易な選択や、「国や県が何とかしてくれる」という妄想から早く脱却することが必要だと思います。止められない人口減少の時代に、その地域らしい社会をどうつくるか、子供たちにどういう故郷を残すのか(もしくは残さないのか)を、今の親の世代が真剣に考え合意形成して、行動に移さなくてはいけない時だと思います。