シャカイジンへの道-45【大卒採用を振り返る】

新年度まであと一ヶ月ちょっと。ようやく2016年4月採用が終息した感があります。

本年度の採用は企業も学生も混乱し、長期化しました。ご存知の通り、企業の採用情報の広報開始は、就職情報サイトによるエントリー受付開始時期が3年生の12月から3月へ3ヵ月、選考開始時期が従来の4月から8月へと4ヵ月、それぞれ後ろ倒しとなりました。

この変更は政府が主体となって立案し、各経済団体や業界団体に要請したもの。大学等における学修時間の確保のほか、グローバル人材育成のための留学等の促進が大きな目的とされ、海外留学からの帰国時期に合わせて選考開始時期を遅らせることで、留学生の就活のハンディキャップを無くそうという試みでもありました。

従来の採用シーンは、まず大手企業が学生と接触し、実質4月~5月には内定出しを終えてから、中堅中小企業が採用活動するという構図でした。中堅中小にとっては、ある程度就職活動を経験し「地に足の着いた学生」が受験してくれるので、入社意志の確認などで効率の良い採用活動ができました。

ところが本年度は大手が選考スケジュールを後ろ倒しした影響で、中堅中小が先に内定出しを行うことになりました。

一方、多くの学生が頼る就職情報サイトのオープンと、企業の個別説明会のピークは従来通りの3月のまま、同時に合同説明会・個別会社説明会、さらに外資系企業やベンチャー企業を中心とした選考が始まり、学生の企業研究が深まらないまま採用活動が進む状況が生まれました。

多くの学生が軸を定めきれず内定を得た結果、秋口になってから「内定をもらっている企業で本当にいいのか」と悩むケースが増え、特に中堅中小や外食・小売などの企業で、内定辞退が相次ぎました。こうした傾向はある程度、予想されたことですが、結果的に不人気業種や中小企業にとって、大変厳しい採用環境となったのです。

17年卒採用スケジュールは、選考開始時期が8月から6月へまた変更になります。中小企業は、本年度以上に学生との接触数を確保し、学生の入社志望をどう刺激するかが、腕の見せ所でしょう。

一方、学生側から見れば3~5月のたった3ヵ月で志望企業を固めないといけない状況が生まれます。できるだけ多くの企業や仕事に出会うことが、短期間で企業研究と自己分析を同時に進める賢い方法です。より多くのいい出会いが生まれるよう、私達も支援していきます。

(特定非営利活動法人プラットフォームあおもり理事 池谷昌之)