シャカイジンへの道-46【大手にできるなら】

さて3月です。この時期に東京に出張すると、リクルートスーツに「着られた」感じの就活生をたくさん見かけます。

企業や組織で働こうとする若者にとって、3月はシャカイジンへのスタート地点といえるのかもしれません。自分が就活していたころを思い出すと、きっと周りの学生がみんな自分より優秀に見えて、不安を感じている学生もいるんだろうなぁ、と思います。

そんな時代から25年以上たち、行政に関わる事業をさせていただくようになった今、3月は新年度事業の受託に向けた企画競争のシーズンになりました。当然のことながら、国や県の委託事業を受託しようとすると、多くの場面で名の通った大手企業とも競合することになります。

彼らは、私達のようなNPO法人とは、資金力も規模も実績も全く比べものになりません。一度に大量の人を動員したり、全国の事例を調査分析したり、立派な冊子をつくったりという分野では、全く歯が立たないのです。委託者側が大手企業に頼りたくなる気持ちも、わからなくはありません。

でも今では、そういう競合の場面でも「大手にできるなら、私達もできる」と考えるようにしています。

例えば、現実のUターン希望者には、「青森にすぐにでも帰りたいが、仕事の都合でタイミングがつかめない男性」とか、「なんとなく帰りたいけど、まずどうしたらいいかよくわからない30歳代の女性」など、具体的な事情が一人一人にあります。彼らが不安なくキャリアを変更するためには、仕事や生活の支援だけでなく「地域で暮らす人たちとの緩やかなつながり」を用意することが、とても重要だと思います。

この「緩やかなつながり」というのは、そこで暮らしている人だからこそ持っている地域に対する愛着や、10年後もこの同じ街で暮らしていく覚悟みたいなもので形づくられるのではないかと思います。

こういう部分は、青森でずっと生きていく私たちにはできるけど、都合のいい時だけ青森にやってくる大手企業には解決できない、実は事業のキモの部分だと思うのです。

さて就活生のみなさん、あす青森市で「学生がつくる合同就職説明会」が開かれます。強そうに見えるライバルたちも同じ学生です。あなたが勝てる部分が必ずあります。気後れせず、いまできることに全力を尽くしてください。

勝っても負けても、就活はみなさんを成長させる大切なステージですよ。



(特定非営利活動法人プラットフォームあおもり理事長 米田大吉)