女性の婚活応援コラム

このコンテンツは五所川原市が運営する「ごしょがわら縁結びサポートセンター」縁結びサポート事業の一環として「NPO法人プラットフォームあおもり」がコンテンツ制作・運営管理を行なっております。

【第3話】お花見と私


いつもと変わらない暴君様(2年ほどお付き合いしている私の彼。関係の進展は特になし)の横顔。
ふと考えてみる。この人は、私のパートナーにふさわしいのだろうか。またこの人にとって、私はパートナーとしてふさわしいのだろうか。

恋人でいる間は、当たり前の日常が何より愛おしい。少しずつ、少しずつお互いの距離を縮めて、お互いがなくてはならない存在になっていく。

ただ、お付き合いを続けていけばいくほど、相手の生活圏になんとか入り込みたいと思うようになる。

相手のためになんでもしてあげたいのにこれ以上はできない、何をしてあげたら私を「そこ」の住人にしてくれるのだろう。どれくらいの時間を一緒に過ごせば、「そこ」の住人として認めてくれるのだろう。

「そこ」には他の人が住んでいたことがあるのだろうか。過去何人の人が出入りしたのだろうか。

パートナーとして、外野の人間は認めてくれているのに、なんだか私だけが妙な不安に襲われて、実体のない場所を探し続けているような、とにかく、はっきりした「居場所」が見えないのだ。

なんだかとってもモヤモヤするこの気持ち。鈍感な男性諸君には決してわかるまい。そうだ、青森県民が病的に愛する「お花見」になぞらえて考えてみよう。

出会いの時期

桜が咲き始め、桜祭り、さあ今年はどこへ行こうかと考える。やはり弘前まで出向くか?いやいや今年はちょっと足を伸ばして角館まで?それとものんびり地元で済ますか?

若い頃は、とにかく派手な祭りに行きたい。そしてできるだけたくさんの祭り会場に行ってみたい。
短い桜の季節を惜しむかのように、各地の名所を巡り、怒涛の桜祭り期間を過ごす。たぶんお財布もスッカラカンだ。それでも楽しい。若者の恋。

大人になるとそうもいかない。桜祭り期間であろうとやるべきことは山ほどある。あの頃のように、何もかも後回しにして時を楽しむことができない。スケジュールの調整ができなければ、体力がなければ、無理はしない。

ただ、楽しみ方はわかっている。遠出などしなくても、美しい季節を味わう方法はいくつも知っている。大人の恋。

いわゆる一番楽しい時期

さて今年は弘前にしようか。予定を決めたら、あとはワクワクする時間を楽しむだけ。楽しい予定は日常をなんだか輝かせてくれる。

恋の始まりはなんだか景色の彩度が高くなったように、鮮やかな日々。年齢なんか関係なく、始まりはいつも幸せな気持ちが溢れてくる。ずっとこんな日が続けばいいのに。

大事な成熟期

いよいよ当日。待ちに待った今日をどんな風に過ごすか。
ここで若かったあの頃と、大人になってしまった今とでは大きな差が生じる。

若い頃は勢いだ。練りに練った予定も、前日に飲みすぎたとか、そんな理由で寝坊してしまっても、渋滞に巻き込まれてなかなか現場にたどり着けなくても構わない。すでに楽しいからいいのだ。

重要なのは、行ってきたという結果ではなく、行こうとしたアクションだ。チャンスはいくらでもあると信じて疑わない、今日一日なんてアッサリと過去にしてしまう力がある。若さという力が。

大人になった私は、どうしてか予定通りに進めたがってしまう。
相手が寝坊しようものなら、遅く出発したら渋滞してしまうじゃないのとイライラし、座ってお弁当を広げる場所なんて本当はどこでもいいはずなのに、もっといい場所があるはずだと人ごみの中を歩き続ける。

とにかく今日は二人にとって大事な日だから、ちゃんとした日にしないと。
せっかく来たのだから、ちゃんと楽しまないと。
何かに取り憑かれたみたいに、「ちゃんとした」にこだわってしまう。
だって「ちゃんとした」の先には私の探し続けた「居場所」があるはずだから。

きっと結婚はたくさんの「ちゃんとした」を積み重ねた二人にだけ訪れる奇跡だ。だから私も、ちゃんとしないと。

本当は心から楽しんだ先に、「居場所」があることはわかっている。
だけどそれだけじゃ不安になってしまう。欲しいものを手に入れるには、色々なことを我慢して、頑張らなくちゃいけないと学んできたからだ。

最近、インターネット界隈では主婦層を中心とした炎上案件が頻発している。呑気な男性諸君は「だから主婦はおっかねぇ」なんてぼやいていることだろう。
私たちは、実は主婦になるずっと前から「ちゃんとしなきゃ症候群」を発症しているのだ。

「ちゃんとした」を積み重ねて手にした結婚生活。「ちゃんとした」を続けていかなければ、居場所はあっという間に見えなくなってしまう、そんな気がするから。

心から安心して暮らしたい。ただそれだけ。

変わらぬ彼の横顔がそこにあった。
「なんだよ?見るんじゃねーよ。」
照れ隠しだろうか。可愛い。ジワジワくる。

ふと考えてみる。この人は、私のパートナーにふさわしいのだろうか。またこの人にとって、私はパートナーとしてふさわしいのだろうか。

【第4話】迷える沼の住人たちへ続く

※「ちゃんとしなきゃ症候群」
平和すぎる日本で暮らしているはずなのに、いつもザワザワと心が落ち着かず、ふとしたことでモヤモヤと小さな苛立ちを感じてしまう。
20代後半から30代の独身女性に多い病。発症に気がつかず結婚してしまうことが多い。
理由があるのに、うまく説明できないため、パートナーに女の気分的なものだと片付けられてしまうことで症状は深刻化し、最悪、離婚に至る。